カードのイメージが強いカジノゲームの中でも、サイコロを使うゲームとして大人気なのがクラップス(Craps)です。プレイヤーが自らサイコロを振るということで公平性が保たれることやルールが簡単なところが人気の理由です。
今回はクラップスのルールや賭ける方法についてご紹介していきます。
クラップスとは
クラップスは、2個のダイス(サイコロ)を同時に振って、出目を当てるダイスゲームです。ディーラーだけでなくプレイヤーもダイスを振ることができるのが特徴です。
アメリカのラスベガスだけでなくヨーロッパのカジノ場でも親しまれているテーブルカジノゲームで、ブラックジャックやルーレットのように黙々とプレイするとは違い、周りの人たちとワイワイ楽しんでプレイするのが他のカジノゲームとは少し異なる点でしょう。
また、他のカジノゲームと比べて勝率が高いゲームなのも人気の一つと言えるでしょう。
クラップスの歴史
クラップスの発祥地はアメリカと言われていて、そのクラップスの原型となったのは18世紀後半~19世紀全般にイギリスで大流行した「ハザード(Hazard)」というダイスゲームと言われています。
ハザードの2、3、12を表すクラブスという用語がアメリカでクラップスに変化したと考えられていて、19世紀末のアメリカ南部の労働者の間で大流行しました。バンク・クラップスやマネー・クラップスとして広まり、1907年ジョン・ウィン(J. Winn)がカジノとシューターのどちらにでも賭けられるシステムにしようとルールを発案。これによって、ディーラーとプレイヤーの片方だけが有利になるようなゲームはできなくなり、勝敗の平等性がとられました。
イカサマが行われにくくなることで、プレイヤーに人気が広まり1915年にシカゴのカジノで採用されて以来、アメリカカジノで一番人気のあるゲームとなったのです。
ヨーロッパに広がったのは、第二次世界大戦後と言われています。フランスはカジノの本場ですが、クラップスに関しては1969年に設置されました。
クラップスのルール
クラップスのルールは、最初に振る人(シューター)が、ダイスを2個同時に振ります。最初にダイスを投げる(1投目)ことを「カムアウトロール」と言います。
投げたダイスの出目の合計によって勝ち、負け、投げ手の交代が決まります。
ダイス2個の合計 | 勝敗 |
---|---|
7、11 | 投げ手の勝ち(ナチュラル、ウィンと呼ぶ) |
2、3、12 | 投げ手の負け(クラップスと呼ぶ) |
4、5、6、8、9、10 | 投げ手を相手に交代し、2投目を振る(ポイントと呼ぶ) |
数字の2、3、7、11、12が出た時点で、ゲームは終了となります。
それ以外の数字(4、5、6、8、9、10)であるポイントの場合はゲームが続きます。
ゲームの終了の条件としては「7」が出た(セブンアウトという)時点でゲーム(シーズン)は終了となります。
ポイントと7以外の数字が出た場合、勝敗に関係ありません。
この勝負でどちらが勝つか負けるか、勝敗を予想をして賭けを行います。
クラップスはプレイヤーの勝率が高いことから非常に人気があり、ディーラーが振るのではなく、プレイヤーが振ることで公平性が保たれることも理由の一つです。
また、シューター側に勝つことを賭けることで、カジノ側が負けることで周りが盛り上がるのもクラップスの人気の理由です。
2個のダイスの目が出る確率
クラップスのルールが分かったところで、続いてダイスの出る目の確率をご紹介したいと思います。
クラップスは2個のダイスを使用し、全て同じ確率とは限りません。2個の合計は2(1+1)から12(6+6)の間でセブンアウトの7が6通りあり、確率が一番高くなっています。
ダイス2個が出る目の合計 | ダイスの出目 | 確率 |
2 | ![]() ![]() 「1,1」 | 2.77% |
3 | ![]() ![]() ![]() ![]() 「1,2」「2,1」 | 5.55% |
4 | ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 「1,3」「3,1」「2,2」 | 8.33% |
5 | ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 「1,4」「4,1」「2,3」「3,2」 | 11.11% |
6 | ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 「1,5」「5,1」「2,4」「4,2」「3,3」 | 13.88% |
7 | ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 「1,6」「6,1」「2,5」「5,2」「3,4」「4,3」 | 16.66% |
8 | ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 「2,6」「6,2」「3,5」「5,3」「4,4」 | 13.88% |
9 | ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 「3,6」「6,3」「4,5」「5,4」 | 11.11% |
10 | ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 「4,6」「6,4」「5,5」 | 8.33% |
11 | ![]() ![]() ![]() ![]() 「5,6」「6,5」 | 5.55% |
12 | ![]() ![]() 「6,6」 | 2.77% |
クラップスの賭け方と配当【初心者はまず2つを覚える!】
クラップスの賭け方には様々なバリエーションがあり、初心者の方には基本的な賭け方を覚えれば十分楽しむことができるので、今からご紹介していきます。
パスライン(Pass Line)
パスライン(Pass Line)はクラップスで一般的な賭け方で、カムアウトロールのみ賭けることができます。
パスラインで賭ける場合、カムアウトロールをする前にパスラインの枠内にチップを置き、全ての人が賭け終わったら、シューターはカムアウトロールを行います。ダイスの目の合計がナチュラル(7、11)なら勝利となりクラップス(2、3、12)の場合には負けになります。
ポイント(4、5、6、8、9、10)の場合には、再び同じシューターがダイスを振り、1投目に出た数字と同じ数字が出たら勝利となります。反対に7が出てしまうと負けになってしまいます。
パスライン | 勝利 | 敗北 | 続行 | 配当 | 控除率 |
カムアウトロール(1投目) | 7、11 | 2、3、12 | ポイント | 賭け金の2倍 | 1.41% |
ポイント | 1投目のポイントと同じ数字 | 7 | その他の出目 | 賭け金の2倍 | 1.41% |
カム(Come)
パスラインではカムアウトロールでしか賭けることができませんでしたが、カム(Come)では、その後好きなタイミングで賭けることができます。
パスラインと違いカムは途中から参加することができます。カムの賭け方には例を挙げるとカムで賭けて、5の出目だった場合、その後7が出る前に5が出れば勝利します。
勝利した時の配当は賭け金の2倍で、控除率は1.41%になります。
パスラインとカムには真逆の賭け方がある
初心者の方にはパスラインとカムを覚えていればクラップスをプレイすることは可能になりますが、この二つには逆の賭け方の方法があるので、覚えておくのに損はないでしょう。
ドントパス(Don’t Pass)
ドントパス(Don’t Pass)は、パスラインと真逆の賭け方法です。1投目のカムアウトロールの前にドントパスバー内にチップを置き、シューターはカムアウトロールを行います。
ダイスの目の合計が2、3なら勝利となり7、11の場合には敗北になり、12の場合には引き分けになり、ゲーム終了となります。引き分けは賭けた金額分が返金されます。
ドントパス | 勝利 | 敗北 | 引き分け | 配当 | 控除率 |
カムアウトロール(1投目) | 2、3 | 7、11 | 12 | 賭け金の2倍 | 1.4% |
ドントカム(Don’t Come)
ドントカム(Don’t Come)はカムの真逆でドントカムバー内にチップを置き、カムアウトロール後に賭けることができます。
2、3が出れば勝利、7、11なら敗北、12なら引き分けで返金されます。
ドントカム | 勝利 | 敗北 | 引き分け | 続行 | 配当 | 控除率 |
カムアウトロール後の1投目 | 2、3 | 7、11 | 12 | ポイント | 賭け金の2倍 | 1.4% |
2投目(ポイント | 7 | 1投目で決まったポイント | – | – | 賭け金の2倍 | 1.4% |
まとめ
クラップスは専門用語が多かったり、賭け方にも様々な方法がありますが、初心者の方はパスラインとカムを覚えておけば、クラップスを楽しむことが可能でしょう。
もし、クラップスを経験して次のステップに進みたい方はそれ以外の賭け方をマスターすると良いかもしれません。