プロポーカープレイヤーとは、ポーカーで生計を立てているプレイヤーのことです。木原直哉氏は数少ない日本人のプロポーカープレイヤーで、2012年の第42回世界ポーカー選手権大会で優勝しました。
今回は近い将来日本にもカジノが建設されるにあたり、これからグンっと認知度があがるであろう木原直哉氏について、年収や学歴、彼の功績などをご紹介したいと思います。
プロポーカープレイヤー「木原直哉」とは?
プロポーカープレイヤーというと外国人のイメージが強いですが、実は日本人にもプロのポーカープレイヤーがいます。
それが今回ご紹介する「木原直哉氏」です。
木原直哉の生い立ちと学歴
北海道名寄市で生まれた木原氏は、高校を卒業後、東京大学に入学。彼は理数系だったため、東京大学理学部 地球惑星物理学科に進学します。
物理学というものは実験を行うことが多く、どうしても待ち時間が発生するのですが、家に帰る程ではない数時間の待ち時間で、木原氏は麻雀を始めたそうです。そして彼はいつしか麻雀や将棋、ポーカーに没頭するようになっていきます。
留学と休学を3年づつ、トータル10年で東京大学を卒業
留年3年と休学3年のトータル10年をかけて東京大学を卒業した木原氏は、「ポーカーがなければ卒業は不可能だった」と述べています。
それは学生時代からポーカーで賞金を得ており、賞金を人一倍かかってしまった学費に宛てることができたからだそう。
その経験から、木原氏は大学卒業後に就職せずにプロポーカープレイヤーとなることを決意したようです。
競技ポーカーの世界へ
その後、カジノ・ギャンブルではなく、木原氏は世界中の強者が結集する「競技ポーカー」の世界に足を踏み入れます。
競技ポーカーは各参加者が支払う高額な参加料をチップとしてゲームを行う大会ですが、中には参加料が1億円を超える大会があるほどで、その分獲得賞金も破格です。
もちろん、勝負に勝てなければ一瞬にして大金を失ってしまうため、正しく「ハイリスク・ハイリターン」といえますね。
木原直哉の年収は?
木原氏が競技ポーカー大会に始めて参加したのは、2011年開催の世界ポーカー選手権大会の「ノー・リミット・ホールデム」です。
ルールは通常のテキサスホールデムと変わりません。伏せて配られた2枚のカードと、場に表で出されたコミュニティカード5枚を使って役を作ります。
「ノー・リミット・ホールデム」は、ベットに対する制限がなくなる、すなわちノーリミットの状態でゲームが進む競技です。木原氏は初出場653位で入賞という成績となりました。
翌年2012年、木原氏は、第42回世界ポーカー選手権大会(2012 World Series of Poker)で6月18日から20日かけて行われた「ポット・リミット・オマハ・シックス・ハンデッド」に参加します。
テキサスホールデムとオマハの違いは、初めに配られるカードがテキサスホールデムは2枚であるのに対し、オマハは4枚である点です。役の選択肢が広がるため、テキサスホールデムよりも複雑なゲームです。
木原氏はこのゲームで、プロポーカープレイヤー2年目にして、日本人選手としては初めての優勝を果たします。
2012年大会でチャンピオンに輝いたときの賞金は51万ドル(日本円でおよそ4000万円)で、この年の木原氏の獲得賞金、つまり年収は3000万円の黒字だったそうです。
翌年も競技ポーカーの大会に参加した木原氏ですが、2013年は500万円の赤字、その翌年2014年は2000万円の黒字、2015年はプラスマイナスゼロと、年収の高低差はかなり激しい様子です。
というのも、競技ポーカーの参加費や遠征費は全て木原氏が支払っており、上位の大会に出場する際には多額の参加料が必要になります。他の賞金を得ていても獲得賞金から経費を捻出するため、手元に残る金額は安定しないのだそうです。
木原直哉が目指す競技ポーカーの普及
ポーカーは運で決まる面が大きいというイメージが多いですが、ICO国際オリンピック委員会に競技認定もされている、れっきとした頭脳スポーツです。
運で勝負を勝ち取るプレイヤーもいますが、木原氏は以下のように述べています。
「ポーカーで大切なのは運ではなく、理論的思考力だ」
プレイヤーは自分に配られたカードの勝率や相手の参加の頻度等を分析し、戦略を練って戦いますが、戦略を練ったうえで相手や場を見極め、駆け引きを行うセンスも問われるため、ポーカーは頭脳スポーツとして多くのプレイヤーを魅了しているそうです。
日本ではギャンブルのイメージが強く、なかなか普及しない
とはいえ日本ではポーカー=ギャンブルであるという認識が強く、東京大学を卒業した木原氏がなぜギャンブルを?といった反応が殆どです。
木原氏は、その理由をポーカーが競技として日本に浸透していないからだと述べています。「プロ棋士には誰も何も言わない」との言葉の通り、”競技”として広く浸透している将棋とポーカーを同じように考える人はあまり多くありません。
実はポーカーの世界競技人口は1億人以上おり、これは野球人口と同程度です。ゲームとしては世界最大級の規模を誇り、プロポーカープレイヤーはアメリカの子どもたちの憧れの職業にも数えられています。
カジノ合法化とともに普及する可能性大
日本では認知度の低かったプロポーカープレイヤーですが、木原氏自身が世界ポーカー選手権大会で優勝したことや、木原氏がテレビ出演したこと、さらには日本のカジノ法案が無事に成立し、2025年頃には初の日本カジノができるということで、木原直哉、競技ポーカーともに少しずつ知名度が上がりつつあります。
また、現在は「GACKT」をはじめとしたポーカープレイヤーが増加傾向にあり、すでに100万ドルを稼ぐ日本プロプレイヤーも存在しているようです。
まとめ
日本での競技ポーカーの普及。
これまで木原直哉が目指してきたこの目標は、現在の日本の状況をみても、そう遠くないといえるでしょう。